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2025年04月19日 現場で学ぶ建築知識

【現場で学ぶ建築知識③】住宅の基礎工事って?地業~配筋~コンクリート打設~基礎完工まで

【現場で学ぶ建築知識③】住宅の基礎工事って?地業~配筋~コンクリート打設~基礎完工まで

🏠住宅の基礎工事って?地業~配筋~コンクリート打設~基礎完工まで

住宅の工事が始まると、最初に行われるのが 「基礎工事」
これは、建物の重さをしっかり地盤に伝え、家を長年にわたって支える“土台”をつくる非常に重要な工程です。

この記事では、基礎工事にあたる工程を、専門用語もわかりやすく解説します!
現場でよく見るあの作業が「なぜ必要なのか?」がスッと理解できますよ✨


📌 目次

  1. 地業工事(根切り・転圧・捨てコンなど)

  2. 墨出し(すみだし)とは?

  3. 配筋(鉄筋組み)の重要ポイント

  4. コンクリート打設とその注意点

  5. 型枠の設置、立ち上がり打設

  6. アンカーボルト設置

  7. 養生・型枠脱型


🏗️ 1. 地業工事(ちぎょうこうじ)とは?

基礎工事の最初の工程は「地業工事」。
これは、基礎の下にある地盤を整えるための作業で、建物の沈下やひび割れを防ぐためにとても大切です。

🔨 主な工程

✅ 根切り(ねぎり)

建物の形に合わせて、地面を掘削する作業です。
図面で決められた深さ・幅を正確に掘る必要があります。

✅ 砕石敷き・転圧(てんあつ)

掘った地面に砕石を敷き詰め、ランマーやプレートなどの重機でしっかりと押し固めます。
地盤を締め固めて安定させることで、基礎の沈下を防ぎます。

✅ 防湿シート敷設

砕石の上にポリエチレン製の防湿シートを敷きます。
→ 地中の湿気が建物内部に上がってくるのを防ぐ大切なステップです。

✅ 捨てコンクリート(捨コン)

鉄筋を組みやすくするために、砕石の上に薄くコンクリートを打設します(厚さ約50〜70mm)。
→ これは構造的な強度には関係しない「下地」ですが、墨出しを行うために必須!

💡 豆知識:鎮め物(しずめもの) 神社でお祓いを受けたお守りを、建物の中央に埋めて家の安全を願う伝統があります(地鎮祭の一環)。


🧱 2. 墨出し(すみだし)ってなに?

捨コンが固まったら、「墨出し」を行います。
これは、基礎の位置・幅を正確に線で示す作業で、基礎の型枠や鉄筋を設置するための“設計図”のようなものです。

  • 墨つぼやチョークラインでラインを引きます。

  • コンクリートにマーキングするので、ズレやすい工程ほど正確さが求められます!


🧰 3. 配筋(はいきん)|鉄筋工事のポイント

次は、コンクリートの中に入る鉄筋を組み立てる工程です。
コンクリートは「押す力」に強い一方で、「引っ張る力」に弱いため、鉄筋で補強して構造強度を確保します。

🧾 使用する鉄筋の種類(例)

 

名称 呼び径 用途
D10 10mm スラブ・補助筋など
D13 13mm 主筋(メイン)として使用

🔍 重要なチェックポイント

  • かぶり厚さ
     → コンクリートで鉄筋をしっかり覆う必要があります。サビや腐食防止のため!

     

    部位 必要かぶり厚
    地盤に接する面 60mm 以上
    外気に触れる面 40mm 以上
    内部の面(外気なし) 20mm 以上
  • 定着長さ(ていちゃくちょうさ)
     → 鉄筋が抜けたり折れたりしないよう、曲げ部は40d以上必要(D10なら40cm)。

  • スペーサー設置
     → 鉄筋が浮いている状態を保つために、プラスチックやコンクリート製のブロックを下に置きます。


🪨 4. コンクリート打設(だせつ)とその注意点

鉄筋をしっかり組んだら、いよいよコンクリート打設
一輪車やポンプ車でコンクリートを流し込み、型枠の中を満たしていきます。

📋 品質管理のポイント

 

項目 基準値の目安
水セメント比 約 50%
スランプ値 18 ±2 cm(流動性)
呼び強度(Fc) 21~24N/mm²(住宅)
  • バイブレーター作業
     → コンクリート内の空気を抜くため、専用の振動器を使用。ジャンカ(すき間)防止に効果的。

  • スリーブの配置
     → 給排水管や電気配線を通すパイプ(スリーブ)も、この段階で設置します。後からは変更できない重要ポイント!


🧱5. 型枠の設置(コンクリート型枠配置)+立ち上がり打設

防湿シートと捨コンが終わって、基礎の位置を墨出ししたら、外周部の型枠を組んでいきます📏📐
以前は「型枠大工」と呼ばれる職人さんが木製の型枠を作っていましたが、現在では再利用可能な「鋼製型枠」が主流になっています🔩💡

木製型枠では、型枠を外す時にベニアがコンクリートに貼り付いたり、剥がれにくくなるため、たっぷりと重油を塗る手間がありました💦

さらに、仕上がりも粗く、使い捨てになることも多かったため、標準的な基礎には組立も解体もラクな鋼製型枠が多く使われています。

コンクリート打設時には、バイブレーターでしっかり振動させることで、ジャンカ(空洞)も出にくく、きれいな基礎が仕上がります🎉


🧰6. アンカーボルトの設置

コンクリートを流す前に、柱の引き抜きに耐える「ホールダウン金物(アンカーボルト)」を正しい位置にセットします⚙️🏗️

これがズレてしまうと、構造に影響が出るため、とても重要な工程です。特に、柱が通し柱(1階から2階までつながる柱)となる位置では、強度の確保が欠かせません❗️


🌿7. 養生・型枠脱型

コンクリートを流し終えたら、しっかりと硬化するまでの「養生(ようじょう)」期間が必要です🕒☀️
この養生がきちんと行われないと、強度が出ず、ひび割れの原因にもなってしまいます。

数日後、コンクリートが所定の強度に達したら型枠を外します🔧
ここで仕上がりの美しさや強度を目視でチェックするのもポイントです👀✨


✅ まとめ|“見えないけれど、最も大事な工事”

基礎工事は、建物の安全と耐久性を支える“最初で最重要”の工程です。
しっかりと施工されていれば、地震や沈下にも強い家ができます。

現場を見るときは、こんなポイントに注目してみてください👇

  • 鉄筋の太さと配置

  • かぶり厚さの確保

  • 捨コンの仕上がり

  • 防湿シートの破れがないか

時守の基礎工事は自社熟練職人による安心施工で、見えない部分ですが手抜き工事は一切しません!

「見えなくなる部分こそ丁寧に。」
住宅の基礎は、安心・安全な暮らしを支える最重要ポイントです🏡💪